コーディングって難しいというか、奥が深いですよね。
特に初心者にとっては、コーディングの速度と品質の両立なんて夢のまた夢で、まずはちゃんとデザインカンプ通りに作るので精一杯というのが正直なところでしょう。(僕も初案件のときにマジで泣きながらコーディングしてました)
ChatGPTのような生成AI、そんなコーディング業務を劇的に効率化してくれる救世主。
本記事では、Web制作初心者のみなさんに向けて、数ある生成AIの代表的な存在であるChatGPTを活用したコーディングの時短テクニックと具体的な使用方法を詳しく解説していきます。
本記事の目次
ChatGPTによるコーディング時短の3つのメリット
ChatGPTを適切に活用することで、コーディング業務の効率は劇的に向上します。
特に初心者の方にとっては、学習ツールとしても、実務の補助ツールとしても非常に便利。
詳しく見ていきましょう。
1. コード生成の高速化
ChatGPTは、与えられた指示に基づいて、HTML、CSS、JavaScriptなどの基本的なコードを迅速に生成できます。
特に定型的なコードの作成は指示も簡単なので、作業時間を大幅に短縮できます。
例えば、「レスポンシブなナビゲーションメニューのHTMLとCSSを生成して」と指示してみると:
<nav class="responsive-nav">
<ul>
<li><a href="#home">Home</a></li>
<li><a href="#about">About</a></li>
<li><a href="#services">Services</a></li>
<li><a href="#contact">Contact</a></li>
</ul>
</nav>
.responsive-nav {
background-color: #333;
padding: 10px;
}
.responsive-nav ul {
list-style-type: none;
padding: 0;
margin: 0;
display: flex;
justify-content: space-around;
}
.responsive-nav li {
margin: 0;
}
.responsive-nav a {
color: white;
text-decoration: none;
padding: 10px 15px;
display: block;
}
@media (max-width: 600px) {
.responsive-nav ul {
flex-direction: column;
}
.responsive-nav li {
margin-bottom: 10px;
}
}
このように、基本的な構造とスタイルを持つコードを即座に生成できるので、開発の初期段階を大幅に短縮できるんです。
2. エラー修正とデバッグの支援
コーディング中に遭遇するエラーやバグの修正は、初心者にとって地獄のような時間ですよね。
でも、ChatGPTにエラーメッセージや問題のあるコードを読ませることで、あっという間に解決するはずです。
例えば、以下のようなJavaScriptコードにエラーがある場合:
function calculateTotal(price, quantity) {
return price * quanity; // quantityのスペルミス
}
console.log(calculateTotal(10, 5));
ChatGPTに「このコードにエラーがあります。どこが間違っていて、どう修正すべきですか?」と質問すると、以下のように答えてくれます:
エラーの箇所:
関数内の 'quanity' というスペルミスがあります。正しくは 'quantity' です。
修正後のコード:
function calculateTotal(price, quantity) {
return price * quantity; // quantityのスペルを修正
}
console.log(calculateTotal(10, 5));
説明:
JavaScriptは大文字と小文字を区別するため、パラメータ名と使用している変数名が完全に一致している必要があります。この修正により、関数は正しく動作し、期待される結果(この場合は50)が得られます。
今どき、エラーよりもChatGPTが使えなくなる方がよっぽど怖いですよね。
3. コードの最適化と改善提案
ChatGPTは、既存のコードを分析し、パフォーマンスや可読性の向上のための改善案を提案してくれます。
要は、ChatGPTってめっちゃ優秀な先生でもあるということですね。
例えば、以下のようなCSSコードがあるとします:
.box {
width: 100px;
width: 150px;
height: 100px;
background-color: #ff0000;
background-color: #00ff00;
font-size: 16px;
font-size: 14px;
padding: 10px;
padding: 15px 20px;
}
ChatGPTに「このCSSコードを最適化してください」と指示すると:
最適化されたCSSコード:
.box {
width: 150px;
height: 100px;
background-color: #00ff00;
font-size: 14px;
padding: 15px 20px;
}
最適化の説明:
1. 重複するプロパティを削除し、最後に指定された値のみを残しました。
2. width, background-color, font-size, paddingの重複を解消しました。
3. 色コードは短縮形(#0f0)にすることも可能ですが、可読性のため完全な形を維持しました。
この最適化により、コードの冗長性が解消され、より管理しやすく効率的なCSSになりました。また、後に指定されたスタイルが優先されるCSSの特性を考慮しています。
「教師/講師」の在り方すら根底から覆すレベルで優秀です。
ChatGPTを活用したコーディング時短の実例
それでは、コーディングを時短できる実例も見ていきましょう。
ここで紹介する2つを参考にして、ぜひあなたのコーディング効率も爆上げしてください。
実例1:レスポンシブグリッドレイアウトの作成
レスポンシブなグリッドレイアウトは多くのWebサイトで使用されていますが、初心者にとってはそのコーディングが難所だったりするものです。
ということで、ChatGPTに以下のように指示してみましょう:
「4列のレスポンシブグリッドレイアウトのHTMLとCSSを生成してください。モバイルでは1列、タブレットでは2列、デスクトップでは4列に変化するようにしてください。」
ChatGPTの答えはこうです:
<div class="grid-container">
<div class="grid-item">Item 1</div>
<div class="grid-item">Item 2</div>
<div class="grid-item">Item 3</div>
<div class="grid-item">Item 4</div>
<div class="grid-item">Item 5</div>
<div class="grid-item">Item 6</div>
<div class="grid-item">Item 7</div>
<div class="grid-item">Item 8</div>
</div>
.grid-container {
display: grid;
gap: 20px;
padding: 20px;
}
.grid-item {
background-color: #f1f1f1;
padding: 20px;
text-align: center;
}
/* モバイル: 1列 */
@media (max-width: 600px) {
.grid-container {
grid-template-columns: 1fr;
}
}
/* タブレット: 2列 */
@media (min-width: 601px) and (max-width: 900px) {
.grid-container {
grid-template-columns: repeat(2, 1fr);
}
}
/* デスクトップ: 4列 */
@media (min-width: 901px) {
.grid-container {
grid-template-columns: repeat(4, 1fr);
}
}
必要に応じて、色やサイズなどを調整するだけで、基本的な構造はすぐに完成です。
とにかく早いです。
実例2:フォームバリデーションの実装
ユーザー入力のバリデーションは、Webフォームにおいて重要な要素ですが、その実装も面倒ですよね。
ChatGPTに作ってもらいましょう:
「名前、メールアドレス、パスワードのフィールドを持つフォームのHTML、CSS、およびJavaScriptによるバリデーションを実装してください。」
ChatGPTはこんな感じで作ってくれました:
<form id="myForm">
<div>
<label for="name">名前:</label>
<input type="text" id="name" required>
</div>
<div>
<label for="email">メールアドレス:</label>
<input type="email" id="email" required>
</div>
<div>
<label for="password">パスワード:</label>
<input type="password" id="password" required>
</div>
<button type="submit">送信</button>
</form>
<div id="error-message"></div>
form {
max-width: 300px;
margin: 0 auto;
}
div {
margin-bottom: 10px;
}
label {
display: block;
margin-bottom: 5px;
}
input {
width: 100%;
padding: 5px;
}
button {
width: 100%;
padding: 10px;
background-color: #4CAF50;
color: white;
border: none;
cursor: pointer;
}
#error-message {
color: red;
margin-top: 10px;
}
document.getElementById('myForm').addEventListener('submit', function(e) {
e.preventDefault();
const name = document.getElementById('name').value;
const email = document.getElementById('email').value;
const password = document.getElementById('password').value;
const errorMessage = document.getElementById('error-message');
errorMessage.textContent = '';
if (name.length < 2) {
errorMessage.textContent = '名前は2文字以上で入力してください。';
return;
}
if (!email.includes('@')) {
errorMessage.textContent = '有効なメールアドレスを入力してください。';
return;
}
if (password.length < 8) {
errorMessage.textContent = 'パスワードは8文字以上で入力してください。';
return;
}
alert('フォームが正常に送信されました!');
});
バリデーションルールやエラーメッセージをカスタマイズすれば、このまま使えるフォームの完成です。
デメリットや注意点とその対処方法
ChatGPTを活用したコーディングには大きなメリットがありますが、同時に注意しておかないといけないこともあります。
ここでは、主な2つのデメリットとその対処方法について詳しく解説していきます。
1. コードの理解不足のリスク
ChatGPTが生成したコードをそのまま使用することで、コードの仕組みや原理を十分に理解せずに実装してしまうのは危険です。
長期的には、問題解決能力や応用力の低下にもつながりますよね。
- コードの詳細な説明を求める:
- ChatGPTに生成されたコードの各部分について詳細な説明を求める。
- 例:「このCSSのflex-directionプロパティの役割を説明してください。」
- 段階的な学習:
- 最初は小さな部分から始め、徐々に複雑なコードの生成と理解に取り組む。
- 生成されたコードを手動で書き直す練習を行い、理解を深める。
- ドキュメントとの照合:
- ChatGPTが生成したコードを、MDNやW3Schoolsなどの信頼できるドキュメントと照らし合わせて確認する。
- 不明な点があれば、これらのリソースで学習を補完する。
- コードの修正と実験:
- 生成されたコードを意図的に変更し、その影響を観察する。
- これにより、コードの各部分の役割と相互作用を理解できる。
2. 最新のベストプラクティスへの対応不足
ChatGPTの知識は学習データの時点で固定されているため、Web開発の最新のベストプラクティスや新しい技術標準を完全には反映していない可能性があります。
要は情報が古いかもしれない、ということです。
- 公式ドキュメントや最新情報の確認
- ChatGPTが生成したコードやアドバイスが最新のベストプラクティスに従っているかを確認するため、MDN Web DocsやW3C、Google Developersなどの信頼できるリソースを参照する。
- 例えば、「このコードは2025年時点での最新のHTML5仕様に準拠していますか?」とChatGPTに質問し、さらに公式ドキュメントで裏付けを取ることが重要。
- 業界ニュースやトレンドのフォロー
- Web開発に関連するニュースサイトや技術ブログ(Smashing Magazine、CSS-Tricksなど)を定期的にチェックし、最新の技術トレンドを把握する。
- 新しい技術やフレームワークが登場した場合、それらがChatGPTの生成物にどのように影響するかを検討する。
- 生成物をテスト環境で確認
- ChatGPTが生成したコードは必ずテスト環境で動作確認を行い、意図通りに動作することを確認してください。特に、新しいブラウザ機能やAPIを使用する場合は、互換性チェックも必要。
- コミュニティで意見交換
- GitHubやStack Overflowなどの開発者コミュニティで、ChatGPTが生成したコードについて意見を求めることで、他の開発者から有益なフィードバックを得られるかも。
ChatGPT活用時の指示(プロンプト)サンプル
ということで、ここまで生成AI(ChatGPT)を使うことでコーディングの作業効率を劇的に高められることを解説してきました。
しかし、いざ自分で使ってみようと思うと「なんて指示すればいいかわからん!」ということもあるでしょう。
そこで、Web制作初心者がChatGPTに効率的な指示(プロンプト)のサンプルをご用意しました。
これらを参考にして、ぜひChatGPTと仲良くなっていってください!
- HTML/CSSの基本構造生成
レスポンシブ対応のWebページの基本HTMLとCSSコードを作成してください。ページにはヘッダー、メインコンテンツ、サイドバー、フッターが含まれます。
- JavaScript機能追加
ボタンをクリックすると背景色がランダムに変わるJavaScriptコードを書いてください。
- フォームバリデーション
名前、メールアドレス、電話番号フィールドを持つフォームのバリデーション機能をJavaScriptで実装してください。各フィールドには特定の条件(例:メールアドレスには@が含まれる)が必要です。
- エラー修正
以下のコードにエラーがあります。問題点を特定し、修正してください: [問題のあるコード]
- パフォーマンス最適化
このCSSコードを最適化してパフォーマンスを向上させてください。また、その理由も説明してください: [最適化対象のCSSコード]
まとめ:生成AIは初心者でも使える強力なコーディングアシスタント
ChatGPTは、Web制作初心者にとって非常に便利で優秀なパートナーです。
コード生成、高速なエラー修正支援、そして最適化提案という3つの主要なメリットは、初心者だけでなく経験者にとっても助かる機能ですよね。
特に時間が限られているプロジェクトや学習中の課題では、そのありがたみを強く感じることでしょう。
しかしながら、AIツールはあくまで補助的な存在であり、人間による理解と判断が必要不可欠です。
ChatGPTが生成したコードや提案は必ずレビューし、自分自身でその内容を理解する努力は忘れないように気をつけてくださいね。
また、新しい技術トレンドやベストプラクティスへの対応不足という課題にも注意し、それらを補完するために公式ドキュメントや業界ニュースへのアクセスも欠かさないようにしましょう。
さいごまで読んでくださった方へ
ぜひ生成AIを活用してコーディング業務に取り組んでみてください!
初心者の方には、以下のステップから始めることがおすすめです:
- OpenAI公式サイトからChatGPTにアクセスし、アカウントを作成
- 本記事で紹介した指示テンプレート集から興味のあるものを選び、自分のプロジェクトに応じた質問や指示を出してみる
- ChatGPTから得られた回答や生成物についてレビューし、それらをテスト環境で試してみる
- 必要に応じて修正やカスタマイズを行い、自分だけのオリジナルプロジェクトとして完成させる
さらに、本記事で紹介したテンプレート以外にも、自分自身で新しい指示方法や活用方法を考えてみることで、ChatGPTをさらに活用できるようになります。
Web制作スキルとAIツール活用力という2つの武器を手に入れれば、新しい可能性が無限に広がるでしょう。
あなたも今日から生成AIと一緒に効率的なWeb制作をはじめましょう!
この記事が独学をがんばる皆さんのお役に立てたらうれしいです。

